この記事を読むのに必要な時間は約7分です。
しゃっす!
野球ってよく「左利きが有利」って言われますよね?
かくいう自分も実は左利き(左投げ左打ち)で、野球を始めたころは「左利きじゃん、いいな〜」とよく言われたものです。
しかしあの頃はなぜ左利きだと野球をやるうえで有利なのか、具体的な理由についてはよくわかっていませんでした。
そこで今回は同じような疑問を持つ方々のために、『なぜ左利きは野球に有利なのか』を解説したいと思います。
結論から言うと理由はバッターの場合とピッチャーの場合の2つあり、
・バッターは一塁ベースに近いから
・ピッチャーは人数が少ないから
基本的にはこれが有利な理由です。
これだけ聞いてもよくわからないと思いますので、詳しくお話していきます!
目次
左バッターの方が一塁到達タイムが早い(バッター編)
左バッターと右バッターを比べた場合、左バッターの方が打球を打った後の一塁到達までのタイムが早いです。
これはなぜかというと、左打席の方が一塁ベースまでの距離が近いからです。
単純な理由ですが、実はこれがけっこうな差につながります。

上のリンク先の記事では、全国の高校球児達の一塁到達タイムをランキングにしてくれています。
すげーマニアックな記事だぜ・・・笑
これを見てみると、ランキング入賞者のほとんどが左バッターであることがわかります!
通常打撃時、バント時の2パターンで合計22人が記録されていますが、そのうち右バッターは2人だけ。
残り20人が左バッターということになります。
左バッターは打ったあとそのまま走る姿勢に入れる
左打席の方が距離が近いということもありますが、もう一つは「打った直後から走るまでの姿勢」にもアドバンテージがあります。
引用:週刊ベースボールONLINE
http://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=072-20170619-01
このように打ち終わったあと、そのまますぐに走る姿勢に移行することが出来るのも左バッターが有利な点です。
対して右バッターの場合は、打ち終わったあとに身体が三塁側方向に必ず傾きます。
その後一塁に向かって走り出すので、左バッターよりは一塁到達までの時間がかかってしまうというワケです。
引用:週刊ベースボールONLINE
http://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=001-20140519-04
まあ写真の落合博満選手(現中日GM)のようにホームランを打ってしまえば一塁到達タイムなんて関係ないんですけどね・・・笑
左ピッチャーは右ピッチャーより少ない(ピッチャー編)
ピッチャーに限った話ではない、というか野球に限った話ではありませんが、左利きというのはそもそも絶対数が少ないです。
統計的には日本人口の10%程度と言われているそうです。
さらにそこから野球をやっていて且つポジションがピッチャーの人となると、おそらく10%以下になるのではないでしょうか。
ということで左ピッチャーが有利なのはその希少性ゆえなのです。
対戦するほとんどのピッチャーは右投げで、バッターはそれに慣れています。
そこで左投げのピッチャーが出てくると、ボールの軌道や角度が全然違うのでかなり手こずるというワケです。
後天的に左投げにするのはほぼ無理
余談ですが、右打ちの選手が努力をして左打ちが出来るようになることは可能ですが、右投げの人が後天的に左投げになることはほとんど不可能です。
これは実際に利き手ではない方でキャッチボールをしてみれば分かりますが、全然上手く投げることが出来ません。
打つ動作より投げる動作の方が繊細ということなのでしょう。
ごく稀に左右両利きのピッチャーが高校野球などで活躍しますが、本当にごく稀でスイッチヒッター(両打ち打者)のように一般的ではないといっていいでしょう。

左利きが有利なポジションはどこなのか?
左利きはバッティングとピッチングでは有利なことが分かりましたが、実は守備においてはポジションによっては不利になってしまう守備位置もあるのです。
なぜなら、捕球後というのは基本的に身体の正面または左側方向に投げる機会が多く、右利き(右投げ)であれば、右(手)から左(側)へと無理のないフォームで送球することが出来ます。
しかし左利きの場合は逆になるので、常に捕球後は左(手)から左(側)へ投げなくてはならず、投球までの動作も時間がかかります。
右利きの人は想像してみてもらいたいのですが、ボールを自分の正面より右側へ投げるのは、自分の左側に向かって投げるよりも難しくないですか?
人間は自分の利き手側に物を投げるのは難しいんです。
左利きの場合、常にそのような条件で送球しなければいけません。
ルール上は左利きか右利きかで守れるポジションについて制限はありませんが、実際のところは上のような理由から守れるポジションは限られてきます。
ではどのポジションであれば左利きでも優位に立つことが出来るのでしょうか?
ピッチャー
これは上に書いた通りです。
もしこれから野球を始めようという左利きの人は、まずピッチャーとして始めるのが良いのかなと自分は思っています。
自分も左利きで中学から野球を本格的に始めましたが、未経験ながら中学2年時から公式戦でピッチャーとして登板できるようになりました。
これはいま振り返ると、左投げとして希少性の高いピッチャーを志望したからではないかなと思います。
少年野球経験者だらけの中で、もし自分がファーストや外野手などのポジションを志望していたらバッティングでレギュラー争いをしなければならず、そうなっていたら勝ち目はなかったように思います。
さらに言えば投手から野手へのコンバート(ポジション変更)はよくある話ですが、野手から投手へのコンバートというのはほとんどありません。
それはピッチングというものが非常に高度な技術を要するものであり、またそのスキルを身につけるのには長い年月が必要だからです。
野球歴がそこそこあっても、ピッチャーを経験したことのない野手がいきなり本職のピッチャーと同じような投球をすることはまず不可能です。
このような理由からこれから野球を始めたい人はまずはピッチャーをやってみて、無理そうだったら他のポジションをやってみるというのがベターな気がします。
ファースト
野球の試合で、捕球後に一番多く送球するのはおそらくファーストに対してです。
なぜならすべてのランナーは打球がフェアゾーンに飛んだらファーストベースに向かって走るからです。
そしてフライでない限りすべての野手は捕球したらファースト方向に向かって送球します。
左利きは送球時に不利だと上で書きましたが、それならボールを受け取る側になればいいのです。
ファーストは他の野手からボールを捕る機会は多いですが、送球する機会は少ないです。
なので左利きのファーストというのはよく目にします。
外野であれば一般的にはライト
最後は外野手です。
実際にはセンターでもレフトでもそこまで問題ないのだと思いますが、左利きの外野手というのはライトに多いです。
ライトであればファースト方向以外は身体の正面から右側(投げる方向が利き手と反対側)になるので投げづらさはない、というのが理由です。
まとめ
左利きが野球で有利と言われる理由について解説してみました。
まとめてみると、
- 左バッターの方が右バッターより距離的に一塁ベースに早く到達出来る
- 左ピッチャーは右ピッチャーより数が少ないので、慣れていないので打ちづらい
- 左利きはピッチャー、ファースト、外野手(ライト)以外は守備において不利
ということです。
「左ピッチャーは珍しくて慣れていないから打ちづらい」というのは、野球に限らずテニスやボクシングなどでも聞いたことのある話ですね。
左打ちは矯正可能ですが、左投げというのはほぼ生まれ持ったものです。
せっかく持ったアドバンテージですので、有効に活用していきましょう!
それではまた!
っした!
コメント