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しゃっす!
『夏の風物詩といえば甲子園』と言われるくらい日本に文化として浸透している高校野球。
さわやかな球児たちのイメージが印象強いですが、たびたび残念なニュースを聞くこともありますね。
つい最近も甲子園出場常連校の仙台育英高校の野球部員が飲酒・喫煙をして、問題になりました。

飲酒・喫煙などと並んで、もう一つ定期的に取り沙汰されるのは部内での暴力問題です。
高校野球の実態を知らない人からみたら「それってどの学校でも日常的にやってるの?それとも一部の極端な例なの?」と気になるところではないでしょうか。
特にこれから高校に進学するお子さんを持つ親御さんは心配になることですよね。
ということで今回は「高校野球にイジメや暴力はあるのか?」について、元高校球児だった自分が実際のところを語りたいと思います。
目次
10年前は野球部内での暴力がありました
少なくとも10年ほど前、自分たちが高校球児だった頃は、指導という名の暴力は存在しました。
それでも自分たちの頃はそれより昔に比べれば、すでにだいぶマシになっていたようですが・・・。
幸い自分が通っていた高校の先輩方は優しく、暴力は決して振るわなかったので自分自身は経験しなかったのですが、周りの高校の話を聞くと先輩に殴られたり先生に殴られたりというのは聞く話でした。
(ちなみに大学時代はやらかしたらバッチバチにやられるところでした。自分は得意のゴマスリで先輩に取り入り結局一度もくらいませんでしたが。笑)
そう、何がすごいって当時は先輩だけではなく先生(公立校の教諭)までも普通に生徒をブン殴っていたということです。笑
今だったらTwitterとかで大炎上してとんでもないことになりそうですね。
具体的にどんな暴力を受けるのか?
自分が聞いたことのある話だとこんな感じです。
基本的にやられるのは下級生で、これらは先輩から受けたシバきの一例です。
- 横一列に並ばされ全員ビンタ
- 胸を数発グーパン連打
- お尻・背中などを思いっきり蹴る
- みぞおちキック
- バットを足に挟んだ状態(裏モモとふくらはぎで挟む)で正座
一番ポピュラーなのはビンタですね。
ケツバットは自分の時代では聞いたことがありませんでした、ケツバットは想像以上にめちゃくちゃ痛いらしいです・・・。
あと顔をグーパンというのもさすがになかったです。
一応彼らなりに超えたらヤバいラインは分かっているのです、たぶん・・・。
ちなみに先生はさすがにこんなことはしません。
あ、でも当時練習試合の相手チームの監督が試合前にスパイク履いたまま選手蹴ってたなぁ・・・あれエグかったなぁ・・・笑
でもイジメかと言われると少し違う
確かにブン殴られるという事実は当時の高校野球には存在していました。
でもそれがイジメかというと少し違うかなと思うのです。
だいたいブン殴られる時というのは、何かチーム内での決まりやルールなどを破った時だからです。
遅刻、係の仕事を忘れる、練習中にダラけた態度でいる、先輩にナメた態度をとるなどなど・・・・
その決まりやルールの是非はともかくとして、やられた側にも一応それなりの理由があったワケです。
上でも少し書きましたが、自分は大学時代はいわゆる「シゴキ」のある野球部でした。
幸い僕はやられたことはありませんでしたが(ふざけて強めの肩パンとかはある)、同期でボコボコにされている奴も「イジメ」とは捉えていませんでした。
やられた側も反省、というか「次はボコられようにちゃんとやろう」という意識でした。
こんなことを言うと体罰擁護派だと誤解されそうなので言っておきますが、自分は暴力での指導など一切必要ないと思っています。
こういった悪の伝統によって優秀な選手が何人も野球の道を絶っているのを知っているからです。
そう思っていますが、自分はそれよりも通常の学校生活で起きるイジメの方がよっぽど陰湿で悪質だと感じてしまいます。
特定の生徒に対してお金を要求したり、集団で無視したり、持ち物を壊したり・・・その結果、不登校や自殺まで追い込んでしまう。
高校野球の世界で起きる暴力は確かに理不尽な側面も多々ありますが、誰か一人をターゲットにして悪意のみで攻撃するなど、そういった陰湿さはないと自分は思います。
基本的には「ルールを破ったから殴る、それでこの件は終わり!」というようなさっぱりとしたものです。
まあ稀に何の理由もなく理不尽にブン殴ってくる、極悪非道で頭のおかしい先輩もいますが、そういう人は同学年からもあまり好かれていないのでチーム内でも浮いた存在であることが多いです。
今もまだイジメや暴力はあるのか?
2017年も終わりにさしかかろうとしている今現在、そういったことが行われているのかどうかについては、残念ながらはっきりと断言することは出来ません。
なぜなら現役の高校球児と関わる機会がないから・・・笑
しかし未だにこんなことがニュースになっているようです。

こちらは少し前の2014年のニュース

ケツバットはないと書きましたが、やってましたね。
いや済美の件はけっこう陰険ですね・・・。
どうやらいまだに暴力はあるようです。
ただこれは自分のただの体感ではありますが、年々そういったことをやる学校は減ってきているように感じます。
最近は上下関係も昔ほど厳しくはないみたいですし。
どんな野球部だと暴力やイジメがあるの?
正直なところ、暴力やイジメのある野球部には傾向があると自分では思っています。
ただ自分が今まで見聞きしてきた中で気付いた共通点なので、何の統計的な根拠もない話ですが・・・
1.全寮制である
全寮制の野球部というのは基本的には強豪校です。
なのでその辺の公立校の野球部よりはまず確実に先輩も指導者も厳しいです。
なにより一番の理由は集団で寮生活をしているということです。
自分も大学時代は寮生活をしていましたが、一年のほとんどをグランドと学校と寮の往復で過ごすような生活をしていると、はっきり言ってかなり世間ズレします。
世間の常識よりも野球部のルールが優先で、それが当たり前みたいな感覚になってきます。
ブラック企業と同じ理屈です。
中には立派な寮則で人間的に正しく導いてくれる野球部もありますが、自分の経験上、全寮制でこのような素晴らしい野球部はあまり見たことがありません。(まったく無いわけではない)
これは自分とは別の全寮制の大学で野球をやっていた先輩の意見です。
「人間はなー、せまい所に長いこと閉じ込められると性格がねじ曲がっちまうんだよ。」
うーん、確かにそんな気はするかも・・・。
2.ヤンキー高校
偏差値がそんなに高くない、いわゆる「ヤンキー高校」と言われる学校の野球部で、これは特に公立校に対して当てはまります。
理由は単純で、ヤンキー高校の野球部にはヤンキーみたいな気性の荒い奴が多いからです。笑
ヤンキーが気が弱そうな生徒に絡むのと同じ理由で暴力やイジメが発生します。
自分が高校の時、隣町のヤンキー高校の1学年上の主将が、練習試合先で相手校の一般生徒をカツアゲして停学をくらっていました。笑
野球しに来てついでにカツアゲするってレベル高過ぎだろ・・・しかも一般生徒って・・・。
でも最近はこういうヤンキー高校みたいな学校って少なくなってきているみたいです、少なくとも自分の住んでいる地域では。
なぜかというと、偏差値の低い公立校は校則がかなり厳しくなっており、あの頃で言うヤンキーみたいな生徒は今はあんまりいないらしいです。(中退してしまうから?)
これは去年に現役の一般高校生と話す機会があったので、その時に教えてもらったことです。
ちなみに私立高校の場合はもし偏差値が高い学校で雰囲気が良さそうでも、野球部はまったく違ったりします。
なぜならその実態は一般生徒とスポーツ推薦の生徒の間の偏差値がかなりかけ離れていたりして、単純に偏差値でははかれない部分があるからです。
つまり学校全体としてはお嬢さんお坊ちゃん揃いだけど、野球部に限って言えばヤンキー揃いなんていうことが私立ではあり得るのです。
根拠もなく偏見まじりの意見で大変恐縮ですが、自分の経験上およそこの傾向は当たっているという自負があります。
進学校の野球部で先輩が後輩をブン殴ったとか聞いたことないですもん。笑
1と2が合わさった環境というのは、なかなかヤバい可能性があるということです。
まとめ
スポーツの指導に暴力なんて絶対に必要ないと思いますが、未だにそういったことが行われているのが高校野球の現実です。
学校ごとの実態が知りたい方は、実際に足を運んでみるのが一番良いでしょう。
練習や試合の時の雰囲気を見ていれば何となくどういうチームなのか分かると思います。
こんな時代にもなって未だに暴力が問題になる高校野球。
早くそんな悪しき伝統がなくなってくれることを祈っています。
それではまたっ!
っした!
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